端的に。平和主義的発想による自己暗示であることが多い。
もちろん、本当に悪い人ではなかったという場合もある。
しかし、そもそも優しい人や快い人に向けられる言葉ではないのだ。
貧すれば鈍するというし、窮したときに本性というものは露見するらしい。
ほとんどのケースで、我々はこの自己暗示によって、
関わらなければよかったと後悔する相手と何らかの関係を持ってしまう。
なぜ気が付かなかったのかという後悔は、それは嘘だ。
僕たちは直観的に明らかに気が付いていた。
「悪い人ではない」という言葉を発するとき、
これは危険信号を察知した直観から警報がなっているにも関わらず、
当の本人はそれに対して耳栓をしようとしているという状態に他ならない。
真に相手の友であるのならば、出てくる言葉はこうだろう。
「確かに色々な部分で悪いやつだけど、俺は憎めない。」