自然に逓減する才能。若さ。
ただ下がりゆく価値と、固着していく価値観。
失われる権力と、離れていく人々。
札束でできた玉座のみが、虚城に残される。
生きる術を知らぬ王は、その玉座を売りに出す。
地べたの温度を肌で感じて、自らの虚無を恐れる。
交換可能な偽の信頼は、まるで寝返った家臣の如く。
夢のような生活の過去が、自尊心を肥大させ、
中の空洞を悟られぬよう、ハリネズミのように。
ああ、一片の優しさでもあれば。
ほんのもう少しだけでも、時間の幅を考慮していたならば。
彼らの寿命が、数年前に訪れていたならば。
権力を貪った代償は、その後の生涯の伴侶となる。
しかし、大いなる気づきも、無音の救いも、
常にそばにいて、我々を待っている。