海揺録

自律とか、自由とかが、たぶんテーマです。以前は、精節録というブログ名でした。

「沙羅双樹の花の色」

 

自然に逓減する才能。若さ。

 

ただ下がりゆく価値と、固着していく価値観。

 

失われる権力と、離れていく人々。

 

札束でできた玉座のみが、虚城に残される。

 

生きる術を知らぬ王は、その玉座を売りに出す。

 

地べたの温度を肌で感じて、自らの虚無を恐れる。

 

交換可能な偽の信頼は、まるで寝返った家臣の如く。

 

夢のような生活の過去が、自尊心を肥大させ、

中の空洞を悟られぬよう、ハリネズミのように。

 

ああ、一片の優しさでもあれば。

ほんのもう少しだけでも、時間の幅を考慮していたならば。

 

彼らの寿命が、数年前に訪れていたならば。

 

権力を貪った代償は、その後の生涯の伴侶となる。

 

しかし、大いなる気づきも、無音の救いも、

常にそばにいて、我々を待っている。