海揺録

自律とか、自由とかが、たぶんテーマです。以前は、精節録というブログ名でした。

さよなら「給油的動力」

それはなんのために?

 


お金のため?

セックスのため?

身近な誰かのため?

 


いずれも報酬系の話に帰着する。

 


何を報酬と設定するかという差の問題であって、そこに感情が介在するだけ、AIが盤上で強化学習する姿と相違ないのだ。

 


君は「AI」に思うだろう。

ああ、限られた世界で幸せかい?と。

 


そうなのだ。

報酬系の世界はわかりやすく、

それ故に「幸せ」になる道筋も学習によって、

再現しやすい。

 


しかし「小さい」のだ。

その思索の至る範囲の問題。

 

 

 

見えない報酬系の糸のしがらみを、

ひとつひとつ丁寧に取り除いたのなら、

そこに残った「僕」は、

やっと僕になる気がする。

 

 

 

そこには「目的」のない世界があって、

ここはとてつもなく「広い」

 


報酬系によって切迫されていた義務感は霧散し、

そこにあったものは何もない。

一種の空虚が漂う。

 


そこには「目的地」を失った「車」が横たわる。しかし、よく見ると、どうやら「ガソリン」が湧き出ている。そんなこともあるらしい。

 

 

 

そこに残っている好きな人や事があれば、

それこそが自分というものだと、

心地よく腑に落ちていく。

 


この「自分」はその旅路の先で、

明らかに人類の意思と繋がっている。

 


その「声」を聴くように、

日々を歩みゆけば、

枯渇することのない「ガソリン」と共に、

生を謳歌することができたのだ。

 


これを「湧出的動力」とでも呼ぼう。

 

さよなら「給油的動力」