草原に寝そべる。青い空を見上げながら、目一杯に両手を広げて。
大きな深呼吸からはき出された安堵は、自分を優しく包むように漂う。
光に照らされた色彩たちは、
世界に有事など存在していないかのような錯覚と共に、
心の中に希望と平和を充満させていく。
無限地獄の道すらも、誰かの轍。
今、宇宙の彼方から隕石が降り注ぐとして、
悠然として受け入れることも難しくないように思う。
では、時折内側から急き立てるように染み出してくる焦燥感が、
なぜ外的な要因によるものだと考えられようか。
なるほど。道具の問題。
解決策の思いつかない物事をしばらく抱えておける大きな袋。
心配事を整理整頓しておける見通しのよい棚。
心に優しく備え付けられた手綱。
たとえば、机や椅子を用意して、仕事をするように、
「時間を過ごす」ならば、ぜひ使ってみたらいい道具があるのだ。
予定やタスクに忙しさを求めてしまうとき、
きっと僕らの部屋には落ち着ける場所がないのだろう。
時間の味わいとは。
淹れたばかりのコーヒの縁にあるいくつかの小さな泡。
音もなく時間を刻む砂時計の中の小さな粒。
ふと過ぎ去る一瞬一瞬であっても、
呼吸とともに、延ばして、延ばして、
近くによってみると、悠久を感じ取れることもある。
呼吸するだけで幸せを感じられる?
心の時計の針がゆっくりと回るなら、
きっともっと広い概念で感じることができる予感がする。
しかし、赤ん坊は勝手に歩き回るものだ。
君はこの子を優しく育てていけるだろうか?
英才教育や贅沢でコーティングしようなどと気構えるのは逆効果になりがちだ。
沢山の給与で働かせようなんて、これもモチベーションがいずれ削がれる。
白紙を一枚。
ここに地図を書くように、世界を歩き回る。
何か見つけたら、印をつけておく。
海を渡り、山を登り、洞窟に入り、春夏秋冬を過ごす。
好奇心の赴くままに。
自分にとって自然と必要なことが身に付き、
ある技能は、別の技能と繋がり、できることが増えていく。
徒然が好奇心の故郷であるならば。