登山に下山があるように、
人助けというものも、その終着点を見据えている必要がある。
項目的な網羅であってもいいし、
期間的な区切りであってもいいし、
その併用でもいいのだろう。
そして、さらに必要となることは、
「目的する終着点」に到達できないであろうと判断した際に迅速に手を引くこと。
これはある種の「毅然さ」が求められる。
人間性に由来する同情的な網目から抜け出る「勇気」が必要なのだ。
学校という制度はそういう意味では非常に参考になる。
まずもって期間があるし、成績という名の項目がある。
数パーセントの異常値を除いて、卒業という区切りがあるのだ。
誰かを助けようとするとき、
誰かに助けを求められた時、次の2つを最初に考える。
・誰かを助ける心理的余裕が自分にあるか。
・この相手を心から助けたいと思っているか。
両方ともクリアなら、
次の3つをよく考えて、事前に決定する。
・いつまでそれに付き合うのか
・援助を止めるラインをどこに引くか
・何を助けたら卒業(ひと区切り)とみなすか
そして、この区切りの間隔については、
なるべく短く設定するのがいいようだ。心は変わりやすい。
自分の範囲外については、
漫然と「善いこと」をするというのは非常に困難を極める。
行き当たりばったりや成り行きまかせで、
誰かを助けようとするから「ミイラ取りがミイラになる」のだ。