目先の利益は誰でも見える。
目の前に落ちているコインは、
なるほど。早い者勝ちなのだ。
目の前に落ちてくるコインが、
地面に着く前に拾うには、
多少の先見性がいる。
まだ見えていないものを
見る力がなければならない。
これは、獣には難しい。
機を待つ。育てる。
そういう投資的な視点を持つには、
「垂涎」を飲み込んでおく必要がある。
さては、機が来た時、
悦び勇んで利を喰らう。
これは愉快なことだ。
しかし、ゲームは続く。
ならば「機」に周期性を持たせるような、
そんな展開を用意するのはさらに合理的だ。
ジェットコースターに乗るのは楽しいが、
これはたまに乗るから楽しいのだ。
「継続的な喜び」を
薄紙一枚ずつ積み上げていく作業によって、
人生の実りと呼べる「豊作」は、
毎年続くようになるのだ。
一時的なものよりも、定期的なものを。
そして、定期的なものよりも、
永久的なものを。
そこに至る鍵は、
事柄の本質的な概念から出発して、
自分を含めた全体が共益的に発展しうる道を
選択し続けることに他ならない。