芋虫をみた。
透明な円筒形の連なりに、
ところどころ桃色がかった姿をしている。
肢体は、波打つようにくねらせている。
疣足と口は、常に何かを喰らおうとして、絶えず動いている。
どうやら、身体と精神の全てに巣喰っており、
それを喰らい蔓延っているようだ。
さて、淫欲の水が、私の心身の器に注がれると、
奴は、その水を、体皮の全体で吸い込むようにして肥大していく。
まるで満足など永遠に知らないかのようなこの生物に、
喰われ続ける恐怖で、目が醒めた。
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