自己の優先的な欲求群がどのような気質に属するものであったとしても、 ある単一の価値観によって過剰に歪められたり、 あるいは自ら歪めてしまった精神性は、 我々の日常をおおよそ長期的に蝕んでしまう。 そこに対する論理的な釈明は、脳内での価値観同士…
もし、ある試みについて花が咲かなかった場合であっても、そのために耕した畑や、準備した堆肥は、そこにある。 また、花が咲かなかったということは、別のところに栄養が回っていくということでもある。 富に恵まれなくとも、清貧は徳を養う。遊びのない状…
先生「木が四角に囲われている。困という字です。」 生徒「囲われていては、木は成長できないということですかね。」 先生「まさに。言い換えれば、下の壁を外せば根は伸びますし、左右や上の壁が外れれば、幹や枝葉を伸ばしていくことができそうです。」 生…
植えていない種は芽生えず、 根を張らない幹は育たず、 日を浴びない葉は枯れる。 具体的に描いていない夢は、流れゆく思考でしかなく、 目標を定めて日々を費やさなければ、夢に近づくこともなく、 少しずつでも実現していかなければ、いずれ腐ってしまう。…
まず、親。これで2人。 次に親の親。ここに4人。 親の親の親。8人。 すると、数列はこうなる。2^1 + 2^2 + 2^3 + ... + 2^n 人類の起源を、700万年前くらいの猿人と仮定して、 世代をざっくりと20年刻みで考慮してみて、 n = (7,000,000 / 20) = 350,000 世…
すんなりと判断できたときに気がつく。 自分に正直な判断というのが、意外とできていなかったりしたことを。 人のことを考えてみようと育つ。 しかし、人は相手のことを考えたりしないと思っていた方が実用的なのだ。 相互主義は、認知の歪みの前に頓挫し、 …
草原に寝そべる。青い空を見上げながら、目一杯に両手を広げて。 大きな深呼吸からはき出された安堵は、自分を優しく包むように漂う。 光に照らされた色彩たちは、 世界に有事など存在していないかのような錯覚と共に、 心の中に希望と平和を充満させていく…
難解な表現で、平凡な自己を隠す。 絢爛な衣装で、醜悪な身体を隠す。 隠された心は自傷と同様に痛み、 日に当たらない日々が輪郭を磨耗していく。 悟ったようにみえるのは無感覚の真似事? 何かをやることを避けるために、才能に逃げる。 最も価値のある働…
安寧を願い。その心地よさの中にまどろむ。 そこに漂う心の穏やかさに、これ以上求めようもない希少さを感じる。 一生続けばいいのにとの空想は、 いつか終わってしまうことへの虚しさに寸断される。 全てを終わらせる死が救いならばと、 ありがたさで満たさ…
ゆっくり進むことは、意外に難しい。 自転車を早く漕ぐことはそれなりにできても、 歩く速度に合わせて漕ごうとすれば、途端にぐらつく。 時間労働のプロフェッショナルたちは、時間をかけることを嫌う。 いずれ量が質をもたらすことを信じて拙速道を極めん…
座学を終えたところで、学びは尽きず、しかし、枝葉の装丁を極める道は漠然と見えても、木の幹の年輪をいかに重ねるのか、それを尋ねるべき先は自らに問うしかないように感じる。 怠惰に打ち克つのが人生だとすれば、人間である意味は薄く、働き蟻にでも生ま…
コンプレックスを虚栄で埋め合わせるというのは、人間の行動としてなかなかに多く、多様に見える。 弱さを覆うための刺青や一張羅。 貧しさからの逃避としての贅沢や豪遊。 無能さを誤魔化すための立派な経歴や看板。 目を逸らすことに慣れれば、その楽さが…
あなたを「不十分」だと思わせてくる人々から、きちんと距離を置くことだ。 ならば、誰かを「不十分」と思っている人々からも、なるべく距離をおいた方がいい。 こうした空気感は、非常に伝染しやすく、それを思う当人も含めて、写鏡のように「不十分」な人…
「間違っている者」の言っている「間違い」の指摘というのは、ほぼ全て、当然の帰結としてそもそも間違っているのであり、つまるところ、逆にその対象の「正しさ」を強烈に後援しうる証左となるのだ。 碌でもない連中から「お前は間違ってる」とか「君は変だ…
端的に。平和主義的発想による自己暗示であることが多い。 もちろん、本当に悪い人ではなかったという場合もある。 しかし、そもそも優しい人や快い人に向けられる言葉ではないのだ。 貧すれば鈍するというし、窮したときに本性というものは露見するらしい。…
未来を思い描くときに、 僕たちは「未だ知らない感情」を勘案することができない。 1つの言葉に、複数の意味があることを知りながら、 まだ体験したことのない未来をもってして、 言葉への「解釈」や「紐付け」を行うことができない。 この不可能が不可知を…
大海に浮かぶ船。 指針なく投げ出され、どこに向かうかも分からず、 しかし、帆を張る。 前方遠くに島が見えるが、後方にもまた陸地らしき影が見える。 さて、自分の周りにも浮かぶ船。 近くの船はどうやら前方の島へ向かった。 少し離れたところに浮かぶ船…
「適切な未来の予測」なくしては、危機を察知することはできない。 危機を察知できる力があるように見えるということは、 「優れた洞察力」があるのではないかということを暗示する。 目の前に大きな落とし穴があるとき、星を眺めている人は気が付かない。 …
雨が止む前の空からは、雨が降っている。 雨が降る前の空は、たいていが曇っている。 常に快晴はなく、常に曇天もなく、常に雷雨もない。 巡りゆく天気と調和すれば生きやすく、空に怒りや悲しみを投影すれば心の手綱は見えなくなる。 雨の日には傘を。晴れ…
あの煩わしい蚊という生き物が、 自分よりも明らかに生物的に強い相手から、 時には命と引き換えに血を吸わずにいられないように、 人間の中にも、 自分より明らかに幸福な人々から、 時には自分もが不幸になることを知っても、 他者の幸せを邪魔せずにはい…
立ち止まることを忘れる。 立脚への喜びは、最初の一回のみ。 問われる「次は?」 湧き出る石油が尽きた時、ガソリン車の未来は止まる。 ならば、電気を。 朝も夜も光を灯す「力」 進む力を議論する時、「進むこと」の是非は問われない。 光の明るさを考える…
熱狂や信仰。 学問や熱中。 集中と感動。 絶えず動く感情と 社会的な動物としての本能があわさって、 集団的な圧力はその力を増す。 言葉なく生きることを全うする生物もいる。 我々は、言葉を覚えたばかりに、 その無意識に犯される。 ただ生き続けることに…
土地がある。 この土地には心があって、 やってきた動物、植物、人などに、 その蓄えている「エネルギー」を分け与える。 すると、彼らは繁栄する。 彼らの願いは、満開の花、爛々と繁った果実。 土地は、この願いを叶えたくなる。共鳴。 しかし、エネルギー…
何かを見つめるとき、 頭の中の妄想が視界に「解釈」を与えることがある。 意味のわからない景色ほど、 僕らはそれに意味を見出すのかもしれない。 水晶の占い。 相場の行き先。 陰謀論の悪役。 混乱らしきものに、 秩序性がみいだせることもある。核分裂。 …
万象が連鎖している以上、あらゆる現象に因果がある。 しかし、心象は気まぐれな以上、 「欲する因果」は、現象的な因果と一致するとは限らない。 人を苦しめた者について、 同じようにその者がいつか苦しむ夢を見るのが、 人の性のひとつなのかもしれないが…
登山に下山があるように、 人助けというものも、その終着点を見据えている必要がある。 項目的な網羅であってもいいし、 期間的な区切りであってもいいし、 その併用でもいいのだろう。 そして、さらに必要となることは、 「目的する終着点」に到達できない…
あらゆる行動が、 進化の最新の到着点であるとするならば、 どんなに「愚からしい」行動にも、 その進化の偶然性と必然性がある。 我々が「否定してはならない」とする行為も、 その肯定を思考するメタ認知でさえも、 並列化された進化の 最適化プロセスの一…
もっともらしい因果が、 「意識」によって設えられる。 因果は選択的な問題であり、 正味、なんでも大丈夫なのだ。 つまり、あらゆる感情や行動は、 無意識の焦点的な目的に従って、 表出されるものであり、 そこに後付けでそれらしい理由を拵えることで、 …
平和と戦争が表裏一体である以上、 常に両方の可能性を検討することが広範な思考と言えよう。 平和であればいい。 有事に備える秘訣は、戦いになる前に、 相手の「攻撃手段」の全てを無効化しておくことだ。 こちら側の依存性を極力排斥することで、これが成…
自然に表明される「怒り」は、 とても爽やかで、内側に残らない。 負の感情をいたずらに押さえ込むことは、 これは、排便を我慢しているそれと似ている。 出したくなったら出す。それが一番だ。 「場所を弁えろ」という圧力。 であれば、比喩を変えよう。 吸…